野菜ジュース・青汁の正しい選び方を考えてみる

今まで、野菜の栄養価をいろいろと比較し、関連情報も集めてきたが、最終的な結論として
どういう観点で野菜ジュースや青汁を選べばよいのかを考えてみたい。

今回そもそもこうして自分で調べようと思った理由は、特定の商品の販売者ではない
立場で、客観的な観点で何がベターなのかを知りたいと思ったからである。


▼栄養を取りたいのか、美味しく飲みたいのか
一般的に野菜汁のみで作られたものよりも果物が入っているもののほうが甘くておいしい。
野菜汁のみのものの中でもケール等の青菜野菜のみで作られたいわゆる「青汁」よりも、
トマトやにんじんなどの甘みのある野菜を使った野菜ジュースのほうがおいしい。

ただし、消費生活センターの市販の野菜ジュースのテスト結果の記事でもあったとおり、
市販の野菜ジュースの中でも、果物入りのものよりも野菜汁100%のもののほうが
栄養価は高いし、果菜の栄養比較の記事根菜の栄養比較の記事でも書いたとおり、
野菜の中でも青菜野菜の栄養価が圧倒的に高い傾向にある。

味  :果物入り野菜ジュース>野菜100%ジュース>青汁(青菜野菜汁)
栄養:青汁(青菜野菜汁)>野菜100%ジュース>果物入り野菜ジュース

ということだ。基本的に「混ぜ物が少ない」物のほうが栄養価が高いということでもある。
ハチミツ入りとかコラーゲン入りとか、それらは「味は良くなるが栄養は減る」ということに
なる。何がいいかは個人の判断だが、少なくとも上記傾向は認識した上で、野菜ジュースを
選んだほうがよいと思う。


▼栄養の高さは生野菜>自家製ジュース>市販ジュースの順
野菜ジュースにすることで失われる栄養素の記事青汁本のまとめの記事で記載した
通り、生野菜からジュースにすることで食物繊維等が失われ(ミキサーで絞るタイプの
場合。粉末にするタイプの場合は食物繊維は残る)、市場に流通させるために
必要な加熱処理等を行うことでビタミンC等が失われる。また野菜の新鮮さが失われる
ことで壊れてしまう栄養素もいろいろある。なので、栄養を取るのにベストは、栄養価の
高い青菜野菜などの生野菜をそのまま食べること、次にそれらをジュースにして新鮮な
状態で飲むこと、市販のジュースに関してはその次になる。


▼野菜ジュース・青汁を選ぶポイントは栄養価とコストパフォーマンス
栄養価の高い野菜のランキングの記事で栄養価の高い野菜をまとめたが、この中で
ほうれん草、よもぎなど、大量摂取に向かないものを除いたもので野菜ジュース・青汁を
作ったり買ったりすればよいわけだが、青汁本のまとめの記事にも記載したとおり、
青汁は大量の野菜を使用するため、1年中大量栽培ができ、ジュース作成に手間が
かからない(毒の部分を取り除く等の工数が不要)ことが重要。大量栽培と手間の要素は
購入する際のコストに関わってくる部分だ。

上記本の著者の父の遠藤氏は、ケールを栽培している農家の人とかではなくて、
野草の青汁を息子に飲ませた経験から始まり、いろいろな青菜の栽培を試した上で、
最終的にケールにたどり着いている。栄養価とコストパフォーマンスのバランスが
よいのかも知れない。


上記の観点を踏まえて、青汁をまとめてみる。まとめてみたら飲みやすさ重視の青汁が
圧倒的に多いようだ。

▼美味しく飲みたい人向け

美しくなる人のためのライフアップ「菜善青汁」
大麦若葉がベース。他に八女抹茶、麦芽糖、アロエエキスを使用。飲みやすさを訴求。

23種類以上の栄養素をギュッと凝縮《VitaPro 青汁》
大麦若葉がベース。他にカワラケツメイ、クロレラを使用。飲みやすさを訴求。

話題の明日葉を根っこごと青汁に!
明日葉がベース。他に大麦若葉、桑の葉を使用。実は明日葉自体はケールよりも
栄養価が高い。ケールと明日葉の栄養比較記事参照。混ぜ物があるのでこちらに分類。

★メディア大注目★日本初の植物性乳酸菌配合の青汁
大麦若葉がベース。他にケール、抹茶、オリゴ糖、植物性乳酸菌を使用。
特に植物性乳酸菌を配合してお通じをよくすることを売りにしている。

他の青汁より栄養豊富「インペックスアイポイントの青汁」
大麦若葉がベース。他にほうれん草、パセリ、果糖、粉末状大豆たん白、水溶性食物繊維、
とうもろこし抽出物(セラミド含有)、ヒアルロン酸、レシチン(大豆由来)を使用。
この青汁の売りは、一袋7gと一般的な1袋3gの青汁の2倍の量を使って栄養豊富に
しているところ。

無農薬栽培の大麦若葉まるごと青汁【布亀99box.com】
大麦若葉がベース。他に麦芽糖、抹茶、はちみつ、セルロース、桑の葉、炭酸カルシウム、
マグネシウム、甜茶、杜仲茶を使用。サイトに他の野菜と大麦若葉「粉末」の比較があるが、
生野菜と「粉末」の比較はフェアじゃないと思う。大麦若葉は五訂日本食品標準成分表に
データがないので、大麦若葉「粉末」のデータを加工してケールと比較した記事を参照。

女性の悩みに ハーブ系青汁のめぐりごごち「楽・月・花」
ベースは不明。以下の8つの素材を混ぜているとのこと。
しょうが、ヒハツ(ナガゴショウ)、黒糖、きくらげ、明日葉、西洋ヤナギ、西洋オトギリソウ、
西洋ニンジンボク。青汁というより漢方茶に近いのかも。体を温める成分が豊富。


▼栄養を取りたい人向け

粒タイプだから栄養価が高くても飲みやすい「ステラの贅沢青汁」
ケールがベース。他にクロレラと長命草を使用。高い栄養価を保ったまま飲みやすく
するために青汁を粉状ではなく粒状にし、手軽に飲めるようにしている。私の知る限りの
粒状の欠点は固める成分が別途必要になるので、同じ量の栄養を摂取するために
粉末タイプのものより多く飲む必要があること。

ファンケルの【青汁】シリーズ!国内産ケール100%が野菜不足の解消に♪
ケール100%。粉末タイプ。1本4.2gでカロリーから推測するに、2本でケール生野菜100g相当。